AI・スマート製造が成長の原動力に 2026年の工作機械市場は構造的成長局面へ

2026-01-02

   2025年の世界の製造業は、「緩やかな回復」と「構造的な分化」が同時に進行する局面にある。IMFおよびOECDの予測によれば、世界経済成長率は約3%水準を維持する見通しである。インフレ、金利の高止まり、地政学リスクが重なる中、製造業全体の回復は限定的である一方、AI、半導体、航空宇宙など高付加価値産業を中心とした投資が成長を牽引している。


世界の工作機械産業は2024年に底を打ち、2025年から2026年にかけて緩やかな回復が見込まれる。成長の中心は、航空宇宙向けチタン・アルミ合金加工、半導体および精密部品製造、スマート設備への更新需要など、高付加価値分野に集中している。自動化、センサー、エッジコンピューティング、AIによる予知保全を融合したスマート工作機械は、各国の製造高度化における共通トレンドとなっており、制御装置、主軸、直線案内、ボールねじなどの主要部品需要を押し上げている。
地域別に見ると、市場需要は大きく分化している。中国は景気減速の影響を受け、米国および欧州ではインフレ、エネルギーコスト高、設備投資の慎重姿勢が続く。一方、インドおよび東南アジアは製造業の拡張とサプライチェーン再編を背景に、工作機械輸出の成長市場として存在感を高めている。


台湾の製造業はAIサーバー、半導体、電子部品の需要拡大により成長を維持しているが、工作機械産業の回復は一様ではない。中低価格帯機種を主力とするメーカーは、中国需要の減速、関税不確実性、為替変動、価格競争といった課題に直面している。一方、半導体・PCB装置部品、高速高精度加工、スマート生産ラインなどの分野に強みを持つ企業は、相対的に高い成長耐性を示している。
2026年に向けて、世界の工作機械市場は「緩やかな成長」と「構造的分化」という流れを継続すると見られる。5軸加工機、高速・高精度機、複合加工・積層造形、AI・センシング機能を備えたスマート機械が成長分野となる。台湾にとっては、産業転換の加速、AI・半導体・航空宇宙分野への参入強化、新興市場への展開が、国際競争力向上の鍵となる。

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