【AIが拓く、DX&GX製造】AXISMATERIA 超硬合金ミーリング材質 AF413X ― 航空宇宙・医療分野の難削材加工を革新する新素材

2025-12-11

日本・住友電工ハードメタルの AXISMATERIA が開発した AF413X は、航空宇宙、医療、高温金型分野における難削材加工に特化した新世代の超硬合金材質です。Ti-6Al-4V チタン合金や Inconel 718 耐熱合金の加工では、従来工具において凝着、刃先欠損、工具寿命の短さといった課題が発生しやすく、AF413X はこれらの加工課題を解決するために開発されました。難削材の切削時に生じる損傷メカニズムを解析することで、耐凝着性と耐欠損性を同時に向上させ、高温・高負荷条件下でも安定した加工性能を実現しています。


AF413X の最大の特長は、均一かつ微細なコバルト相分散技術にあります。これにより、チタン合金加工時の Ti 凝着を抑制し、安定した切削状態を維持します。さらに、WC 粒子間の結合力を高めることで粒子脱落を抑え、刃先欠損を低減し、工具寿命を大幅に向上させています。材料特性としては、結合相量 13%、WC 粒径 0.4 μm の超微粒構造、抗折力 4.3 GPa を備え、高硬度と高靭性を両立した優れたバランスを実現しています。

AF413X は、航空宇宙や医療インプラントに用いられる高強度・生体適合性を持つ Ti-6Al-4V、航空エンジンやタービン部品に使用される耐熱・耐疲労性に優れた Inconel 718、高強度・耐食性を備える SUS630、さらに熱間金型用鋼として広く使用される SKD61 など、多様な代表的難削材を安定して加工することが可能です。これらの材料は高硬度・高靭性・高耐熱といった特性を持ち、工具への負荷が非常に大きいものの、AF413X は刃先の健全性を維持し、優れた切削性能を発揮します。


総合的に見て、AF413X は航空宇宙、医療、エネルギー、金型産業にまたがるニーズに応える高性能ミーリング材質です。耐凝着性・耐欠損性・高靭性という三つの特長により、高難度な加工環境における生産性と加工品質の向上を実現し、精密加工分野における信頼性向上に貢献します。難削材加工で課題を抱える現場において、AF413X は安定した加工と性能向上をもたらす重要な材質選択となるでしょう。

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